漆の特徴として「日光の下のみ、色が見える」という特徴がある。 僕はバイクの色は「黒」とか「白」ではなく、「紺」や「深緑」という色が好きだ。 角度や光の加減で見え方が変わるからだ。 なぜだかわからないが、物だけではなく、人であってもそんな二面性に惹かれる。 とかく、ライディングにはワイルドなイメージとは裏腹に、冷静な心と精神力が必要である。 展覧会前の忙しい時期だというのに、思い立ったらすぐに手が動いてしまう。 僕は無類のバイク好きであり、仲間内からはバイク馬鹿とまで言われる。 ただ正直、新モデルがどうとか、スペックがどうとかはあまり知らない。 更に言えばカスタムも特に興味がない。 「バイクは走ってなんぼでしょ」というのが常だが、パーツが足りない時や買えない時は自分で作る。 もちろん、車検は基準は満たすし、更にその上の走りの安全性・耐久性は必要以上にする。 ここ最近友人のバイク塗装を頼まれたわけだが、アトリエで彫刻作品の製作の際に漆が中途半端に余った。 横に置いてあった友人のバイクのタンクに、その漆でいたずら書きをしてみた。 それがまたいい感じになってしまったもんだから、スイッチが入る。 ベースにグラデーションを描き、トップに漆を塗布した上でラップ塗装。 日本古来の色「青碧(せいへき)/YAMAHA SR400」と「深緋(こきひ)/SUZUKI TEMPTER」それぞれ1台ずつ作ってみた。 日中は奥深くも鮮やかな色を放ち、日陰や夜間は漆黒に輝く。 バイク大国日本に相応しい塗装ではないだろうか。 今からこの上にグラフィック(多分「沈金」か「蒔絵」)を施すが、ひとまず全体像をご報告。 深緋(こきひ)のスズキ テンプター(ST400V)には加えて「重ね塗り」で仕上げたサイドカバー、フロントフェンダー、リアフェンダーが装着されている。 黒呂漆の奥深いツヤと深みが一層際立つ。 ひとまずノリでつくってみたので塗膜の耐久性、耐ガソリン性はわからないが、気をつければ普通のラッカー塗装よりは十分強いです。 なぜなら漆は天然素材にも関わらず、車やバイクの塗装に使われる二液ウレタンに匹敵する表面硬度を誇ると言われています。 ガソリンを抜いてコック類を外した状態でタンクを送ってもらえれば、あなたのバイクのもやります。 ただ、気分の乗った時(というよりは僕の仕事で漆を使うタイミング)でしかできません。 ラインやロゴなどが入らなければ、タバコ10カートンもしないくらいの値段でできると思います。 パテ埋めはある程度ならサービスします。 ご興味ある方はご一報を。 Painting of bikes using lacquer which is original paint of Japan. It has a characteristic that its appearance varies depending on the amount of solar light, and it seems as if it represents a person's Yin and Yang.
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November 2023
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